ETERNAL ROCK CITY.2014(通称エロフェス)というロックフェスが
4/5-6と歌舞伎町で開催されてまして、北海道から遊びにいってきた。
フェスといえば日常から離れて自然に囲まれた野外でやるものという
イメージがあるところを、このエロフェスは都会の中、それもとりわけ
人間の煩悩渦巻く歌舞伎町という街中でやるという面白さ。
また、フェスとはいえ都市を巻き込むほど大規模なものではなくて、
ふつうに黒服のキャッチやらお水の人やら居る中を
軽装にリストバンド姿で歩く参加者を時折見かける程度。
上の写真は唯一の野外ステージのあった大久保公園(翌日撮影)で、
その他はすべて普通のライブハウス、またはクラブ的なところだった。
前置きが長くなったけども、2日間見た中で良かったアーティストを
ピックアップして紹介するぜ。
前から好きだったバンドも、今回初めて知ったバンドもあるぜ。
一応出演の時系列順。
■KAGERO
KAGERO / カゲロウ OFFICIAL WEBSITE
サックスがリードをとるインストのカルテット。
ジャズ色が強いけど、すげえ攻撃的な曲が多い。
→Pia-no-jaC←とかPE'Zとか好きな人なら一瞬で惚れるんじゃないだろうか。
今回、土曜朝の便で移動して、ちょうどKAGEROの途中から参加したけど、
最後の2曲を聴いた時点でもうチケット代の元取ったなと思った笑
■うみのて
表現しにくいが、聴けば聴くほど味が出る、独特の雰囲気があるバンド。
ダウナーで毒々しい音の渦の奥で時折響く鉄筋と鍵盤ハーモニカ。
「『笑っていいとも!』やってる限り平和だと思ってたけどもはや平和ではない」
と歌うこの曲を、いいともが終わってしまったこのタイミングで聴くのも
ちょっと複雑なものだなと感慨に耽りつつ、
タモリサングラスをかけておどけるボーカルに笑った。
■鎮座DOPENESS & DOPING BAND
鎮座DOPENESSは日本のHIPHOPに対する自分のイメージを
ガラッと変えてくれた偉才。異彩の偉才。
ぜひ一度生で見たいと思っていた。
よくラップバトルなんかで鎮座DOPENESSのことを
こいつはフロウだけだみたいにディスってたりするんだけど
それくらいフロウがずば抜けてて、とにかく聴いていて気持ちいい。
ライブはさすがのエンターテイナーといった感じ。
しっかし痩せてたなー。
鎮座DOPENESS 鎮座ドープネス @ CISCO 1 - YouTube
■MOROHA
これまたラッパー?でいいのかな。
アコースティックギターとMCの2人組。
面白い拍の取り方で、アコギのオシャレなフレーズをトラックにして
熱い熱い、暑苦しくて優しいリリックを叫ぶ。
「東京はドラマをくれないよ?ドラマは自分で起こすんだ。」
って言ってて、そうかー東京はドラマくれないかぁって思った。
■フジロッ久(仮)
前から名前は知ってたんだけど、今回はじめてちゃんと聴いた。
録音された音源だけ聴いても個人的にはそれほど魅かれなかったが
ライブを見た瞬間に一発でその魅力がわかるタイプのバンドだった。
くそ楽しかったわ。
今回の2日間で一番心が洗われた時間だったかもしれん。
フジロッ久(仮)2nd 『ニューユタカ』 CM(シュプレヒコール編) - YouTube
■チャラン・ポ・ランタン
ボーカルとアコーディオンの女性2人組。
初日の最後の野外ステージアクトだった。
予備知識ゼロだったんだけど、かわいい衣装の女の子が出てきたと思ったら
「厚着して寒そうにしてんじゃねぇよ!こっちは半袖なんだよ!」
っていうMCから始まったから度肝抜かれたわw
しかし素晴らしいライブだった。
Tシャツ買っちゃったほど良かった。
ボーカルのももちゃん、20歳とかまじかよ。
どうしたら20歳であんな実力と度胸が身につくものかねと
堂々と歌い上げるスーダラ節を聴きながら思ったのでした。
チャランポのエロフェス@大久保公園。
これがやりたくて大久保公園に出させてもらったんじゃーー!
感動の長蛇ジェンカ!くぅ〜! pic.twitter.com/kB51FHeS9F
— チャラン・ポ・ランタン (@charanporantan) 2014, 4月 5
これ超楽しかった。
チャラン・ポ・ランタン 「空中ブランコ乗りのマリー」 MUSIC VIDEO - YouTube
■fula
今回事前に知らない出演者いろいろチェックしてた中で、
実は一番気になったバンドだった。
まだそれほど知名度高くはないのかな?
ぜひ野外フェスのだだっ広いとことかでもやってもらいたい。
リズムがいちいち気持ち良くてズルい。
曲間でチューニングしてるときに、ボーカルの人が
他の人に「(ギターの)チューニングいいの?」って聞かれて、
「俺はチューニングとかいいんだよ」って答えててロックだなと思った。
[MV] tropical5 / fula - YouTube
■Predawn
アコギで弾き語る女性シンガー。
初めて生で見たけど、ちっちゃいなー!
野外ステージで、風が強くって吹き飛ばされちゃいそうな感じだった。
外はけっこう寒く、曲の合間に手をカイロで温めつつの演奏。
アルペジオする指が辛そうだった。
しかしやっぱり歌声は素晴らしかったな。
ステージすぐ前で聴いていたけれど、声がスピーカーを経由してしまうのが
もったいないなとか思ってしまうほどに聴き惚れていたら、
風で桜の花びらが飛んできて、本当に森の精かなんかかと思った笑
■THE★米騒動
そして自分的に今回大本命だったのが、THE★米騒動。
女2男1の3ピースで、札幌平岸高校の軽音部で結成されたバンドらしい。
セカンドアルバム『十九歳でぜんぶ終わる』が出たのが2012年の7月で
名前のとおり19歳で作ったものらしいから、まだ20歳とか21歳とかか。
左手でマラカスを振りながら右手でハウリングのボリュームを調整する
ギターボーカルと、アイドルみたいにかわいい笑顔をふりまきながら
バッキバキに重低音を歪ませるベースの子を見ながら、
「どうでもいい芸術にどうでもいい時間を割いて」とか言ってるけど
なるほど、10代の青春をそうやってノイズ生成に費やしてきたんだなぁ
などと思ったのでした。
米騒動はこの5月でもって無期限の活動休止を発表済み。
理由は「安定を求めて」とか…。
かっけーバンドがしかるべき恩恵を受けられる社会になると良いのだがなぁ。
■その他感想
このエロフェスを主催したツジユウヤ氏(@yuya_tsuzi)、
あとから知ったけど、まだ22歳だとか。
それに一番びっくりした。
最後のDJプレイ聴きにいったけど、あんな頼りなさそうな(失礼)男が
これだけすげぇフェスを作っちゃうんだもんなぁ。それも4回も。
いろんなアーティストがライブ中のMCで「ツジが」「つじ君が」って
名前だしてて、ちゃんと信頼関係築けてるからこそこれだけの規模になって
いったんだろうなぁって思った。
歓楽街の真ん中でのフェスっていうのは本当に新鮮で、
リストバンドをつけた参加者が、けっして主張することなく、
忍者のように会場間を移動する感じはとても面白かったけれど、
同時にいろいろ困難も伴うなぁと思った。
いちいち客引きの黒服に声かけられるし、
夜女の子が1人で移動してたりすると見ててもはらはらする。
素敵なイベントだけに、問題とか起きる前に対策できるといいんだけどな。
もっと地域と連携した体制をとるとか。言うは易し…。